今日は、ニュージーランドに来て出会った、ワタシが勝手にメンターとして慕っていた人がこの街から離れるので、その人のお別れ会でした。
彼とは、数年前に私たちの子供が通っていた小学校のバザーのような会で、ワタシが出していたチョコレートと小さなケーキを売っていた時に来てくれた人でした。
ワタシのスコーンを味見してくれ、気に入ってくれ、ワタシが出していたチョコレートを見て
「俺は、近くのホテルで働いて居るんだけど、俺の店にこのチョコレートを売ってくれないか?」
というのが、初めてのきっかけでした。
それからというもの、彼がそこのホテルに勤務して居る時には色々と私たちから買ってくれたのです。
その後、彼はそこのホテルを離れ、調理師学校の講師を始めたのですが、その時にワタシにチョコレートの一日講師の仕事を聞いてくれました。
あまり、英語に自信のないワタシだったのですが、そんなワタシを授業中色々と手伝いをしてくれて、生徒たちにいい経験とチョコレートの知識を分けることができたのです。
その後も、寿司の実習の講義をする機会もくれて、ワタシに講師をできる自信を与えてくれたのです。
そんな、彼だったのです、そして、彼は講師をする傍ら、レストランのビジネスコンサルティングも行っており、ワタシが今働いているホテルのスーシェフの仕事も彼が紹介してくれたのです。
当時、ワタシはパティシエとして働いていたのですが、当時の職場に限界を感じており、何か新しいことを模索中だったので、ワタシはその仕事にアプライしたのです。
彼の口利きもあり、見事このホテルでのスーシェフの仕事をいただくことができました。
なんだかんだ言って、今ではすでに4年以上の月日が経ちました。
その時に彼と一緒に働き、彼は私たちのメニュー作り、私たちのトレーニングをしてくれたのですが、とっても強い人で、
「あ、俺もこんな人になりたい」と、思ったのでした。
彼が私たちのキッチンをコンサルティングしてくれている時に一緒にコラボして作ったメニューはとても良いものです。
当時のメニューを今でも使っています。
でも、彼は調理師学校の講師を辞めて、私たちのホテルのライバルホテルに就職が決まり、私たちのホテルのコンサルティングをやめなければなりませんでした。
頼りにしていた人を失ったような気がしたのですが、彼からは色々と学んだので彼との時間はとても有意義な時間でした。
その後でも、何か質問があればちょくちょく連絡をしていたのです。
逆に、彼からもデザートの質問をしてくれることもあり、嬉しくもあったものです。
個人的にも仲良くなって、彼が子犬を飼い始めた時はその子犬を見せてもらいに、家族5人で彼の家まで押しかけていったこともありました。
そんな家族ぐるみで仲良くさせてもらったのですが、彼もここを離れてウェリントンに引っ越ししてしまいます。
心の支えと言っては大袈裟かも知れませんが、それに近い感覚の存在です。
今、ワタシはヘッドシェフの仕事をしているのですが、自分の性格もありなんでも自分で抱えてしまうところがあります、で、ワタシ以上に経験の長い彼に今までどうやってこれだけのプレッシャーをマネージしていたのかを尋ねたのです。
そうしたら、彼は、
「今は、この業界は今まで一番辛い状況に入っていると思う、どうマネージするかというよりも、どうリアクトするかが問題なんだと思う。」
「もしできないのであれば、ボスに言った方がいい、そうしないと君が壊れてしまう。」
こんなに、ヘッドシェフが大変とは思っていませんでした、今は特に大変なんです、明日来てくれるはずのキッチンハンドの人が来れません。
その穴埋めでワタシのお休みの今日の半日は、どうにか誰かに来てもらおうと手筈を整えようとしたのですが、誰も来てくれません。なので、明日は自分らで食器と調理道具を洗うことにしました。
ヘッドシェフの仕事って、こんな事ばっかりです、ヘッドシェフの仕事って華やかなイメージありますが、みんなが気持ちよく仕事をしてもらうためにする気遣いのやら下働きの方が大半を占めています。
でも、自分で手をあげて欲しがった仕事なので、自分の全てをかけて頑張ります。
ワタシのメンターも彼の100%を仕事にぶつけたように。
シェフジェイソン、出会ってくれてありがとう!
違う街に引っ越してしまうけど、これからもよろしくお願いしますね!
ウェリントンで会う日を心から楽しみにしています。
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