ニュージーランド人と仕事をしていると、本当に私たち日本人は働き者だなぁと思います。
私が日本で働いているときは、朝から晩まで働いていて、しかも週一日しかお休みをもらえていませんでした。
こういう業界はしょうがないのかなぁと、いつも思いながら働いていました、周りがそういう人ばかりなのでそれが普通な世界だったので、日本にいたときはそういう生活をしばらくしていました。
でも、22年前にこちらに来て、こちらの人の下で働くと、週休二日は普通で、しかも一日8時間労働だったりして、気分はバイトかフリーターのような感じがしていました。
ってか、それがニュージーランドの普通のようで、それ以上働くと怒られたりしたこともあります。
よくおもうのが、こちらニュージーランドは従業員の権利が結構強かったりします。
どんなに忙しい時でも、従業員が「働きたくない」と言ったら、それが通ってしまったりします。
そんなことを日本の会社で言ったら、次の日には仕事を失ったり、職場で自分の居場所がなくなることでしょう。
それだけ、こちらニュージーランドは従業員の権利が強い環境なのです。
そんな感じの国のニュージーランドではスタッフの扱いにも気を使います、私の働いているホテルのレストランでは、キッチンハンドと言って、洗い場の人がいるのですけど、そう人たちの扱いにも気を使います。
だって、次の日に来なくなることもあるし、実際あったしね。
日本なら何でもかんでも、洗い物や時間のかかるジャガイモの皮むきだのは適当に説明しておくと、しっかりやっておいてくれますが、こちらの人、この場合キッチンハンドは、明らかに嫌な顔をしてそういった仕事をしたがりません。
ってか、これって君の仕事で、私らはそういうことであなたを雇ったわけで、俺たちが言ったことをしてくれないと困るんだけど。
今は洗い物が多いから、そんな仕事はしない!
と、軽く逆ギレに走ります。
強く言い返して、力ずくで仕事をしてもらっても逆効果かもしれないと思い、お願いする気持ちで、
今ここにあるお皿を洗ったら、申し訳ないのですが、冷蔵庫の整理と床掃除をしてくださいませんか?
ええよ。
松下幸之助サンもおっしゃていました。
「従業員が少ない場合は、怒鳴り散らかして仕事をさせることはできよう、でも従業員が増えるにしたがって、お願いだからこの仕事をなさってくださいませんかという気持ちが必要になってくる。」、と。
ですので、私は従業員にものを頼むときは下手下手に出て、仕事をしてもらっています。
それから、ニュージーランド人から信用を得るために日頃心掛けていることがあります。
それは、「自分でやって見せてみる」。
英語でよく言われているのが、「リードバイイグザンプル」
ただ、ほかの人にものを頼むときに内容だけ言って仕事を丸投げするのではなく、具体的にどういうことなのか説明して、場合によっては時間がかかるかもしれないけど、見本を見せて完成図まで示すということですね。
私も若いころ仕事を覚えるときに、先輩から仕事を投げられたのですが、見たこともない料理を作らされてもちんぷんかんぷんなところが多かったですね。
さすがにレシピはもらったのですが、やっぱり実際にやってみないとわからないこともあるし、知らない材料も出てきたらますます混乱します。
で、仕事をちんたらやっていると、キッチンの端のほうから先輩の怒鳴り声が聞こえてきます。
「バカヤロー!さっさと仕事終わらせろ、営業に間に合わねえだろ!」
こうやって、鍛えられたので今の私があるわけですが、この時誓いましたね、「自分がヘッドになったらもっと丁寧に従業員を育ててやるんだ。」、と。
ですので、若い子に何か仕事をあたえるときは、実際に仕事を見せながら説明するように心がけています。
そういうことを続けているので、自然とほかの従業員から信用を得てきています。
今日も、こういうことがありました、普段はキッチンハンドは一人なのですが、今日は忙しいと見込んだので、二人のキッチンハンドに来てもらいました。
そういう日は普段できない細かいところの掃除をしてもらいたいので、キッチンハンドさんが来る前にやることリストを、箇条書きにして作っておきました。
二人がそろったところで、二人に同時に説明。
今日の計画を話して、私が彼女たちにしてほしい仕事をやることリストと一緒に説明しました。
二人に同時に説明することで、みんなが同じページにいることになります。
それだけ言って、あとの仕事のやり方は彼女らに任せます、いちいち細かく仕事のやり方を指図されるのは誰でも嫌なもの、彼女らも大人なので仕事の進め方は任せます。
で、営業は結構忙しくなり、途中経過を見る暇がなかったので、彼女らがどうやって仕事をしたかわかりませんが、かなりきれいに掃除をしてくれました。
これがもし、私が掃除の仕方をいろいろ注文していたら、その通りにしてくれるでしょう、でもここまできれいに掃除をしてくれ、しかも私が気が付かなかったところまで掃除してくれなかったことでしょう。
そして、やってくれたいい仕事について感謝をして、どうやって仕事をしたかの説明を聞き、話したかったんだろうね、これから頻繁に掃除をしてくれるとまで約束してくれたんです!
仕事は大変ですが、こうやってみんなが力を合わせればどんな大きな仕事でもこなせるのではないでしょうか?
そのためには日ごろから、従業員と仲良くし、お互いを尊敬しあい、意見を交換していい職場にしたいと思います。
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