サル痘とは
サル痘ウイルス感染による急性発疹性疾患である。感染症法では4類感染症に位置付けられている。主にアフリカ中央部から西部にかけて発生しており、サル痘ウイルス自然宿主はアフリカに生息するげっ歯類が疑われているが、現時点では不明である。稀に流行地外でも、流行地からの渡航者等にサル痘ウイルスが発生した事例がある。症状は発熱と発疹を主体とし、多くは2−4週間で自然に回復するが、小児等で重症化、死亡したサル痘ウイルス症例の報告もある。
感染源・感染経路
サル痘ウイルスの動物からヒトへの感染経路は、感染動物に咬まれること、あるいは感染動物の血液・体液・皮膚病変(発疹部位)との接触による感染が確認されており、自然界ではげっ歯類が宿主と考えられているが、自然界におけるサル痘ウイルスのサイクルは現時点ではわかっていません。
ヒトからヒトへのサル痘ウイルスの感染は稀であるが、濃厚接触者の感染や、リネン類を介した医療従事者の感染の報告があり(Aaron TF. 2005, Aisling V. 2020)、患者の飛沫・体液・皮膚病変(発疹部位)を介した飛沫感染や接触感染があると考えられている。
サル痘、性行為介した感染の可能性を検証=WHO
ですが、世界保健機関(WHO)の欧州サル痘問題対応の幹部、キャサリン・スモールウッド氏は15日、サル痘のウイルスが患者の精液から見つかったとの報告について、WHOが検証を進めており、性行為による感染の可能性を探っていると述べた。
スモールウッド氏は記者会見で、最近の報告がサル痘ウイルスの性行為での感染の可能性を意味しているかどうかは不明だと指摘した。
サル痘はウイルス感染症で、5月上旬以来、約30カ国で1300件以上の症例が報告されており、そのほとんどを男性と性交渉を持つ男性が占めている。
症状
サル痘の潜伏期間は5~21日(通常は6~13日)、サル痘の致死率は数%~10%と報告されています。初期症状は、発熱、悪寒、背中の痛み、筋肉痛、リンパ節の腫れ等であり、発熱後1~3日で特徴的な発疹が顔や四肢に現れ、口の中や性器、目にも発疹が現れることがあります。臨床的には天然痘とサル痘は区別が困難です。
予防法
サル痘の流行地では以下のような感染予防対策を心がけ、サル痘感染が疑われる場合には、すぐにお医者さんい会いましょう。
●症状のある人の飛沫・体液等との接触を避ける。
●石けんと水、またはアルコールベースの消毒剤を使用した手指衛生を行う。有症状者が使用した服、寝具、タオル、食器等に触れる際は特に手指衛生に気をつける。
●サル痘を保有する可能性のあるげっ歯類等のほ乳類(死体を含む。)との接触を避け、野生の狩猟肉(ブッシュミート)を食べたり扱ったりすることを控える。
●イベント等、大勢の集まりに参加する場合は、人と適度な距離を取ること。
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